人生を共にしたい伴侶ができ、我が子のためなら自分の身を投げ打つことも厭わない。
人生に訪れる特別な時期って色々あると思いますが、とりわけ結婚から出産、子育てという一連の流れはかなり貴重なもので。
その物語は一人一人全く違うものであり、外からの見え方と本人の知覚する世界との差異も大きいんじゃないかと思ってます。
そんな人生に彩りを与えてくれる貴重な時期に、世界というのは何かしら干渉してくる事が多々あります。
職場の人事異動であったり、自身の病によるものだったり、その他社会的な多様な要因がある中、本作では突然の鈴の音、望んでいない挑戦者、早く本来の自分の居場所に還りたい焦燥。
ヒーローの美学、高速な戦闘描写、もちろん魅力的ではありますが
私は「死ね」の一言に
宮本さんの大切なものを侵食する世界への静かな怒りのようなものを感じた気が…します…そ、そうですよね?
そうだといいなあ。
科学薬品メーカーに勤める主人公・樫尾さんはデスゲームに身を投じていた。 最強のナイト・ブルーセーバーとして。
夜な夜な繰り広げられるデスゲームは相手を殺さないと終わりが来ることはない。
樫尾さんには殺された恋人・悠香さんがいたのですが彼は記憶操作をされたことでその記憶もない状態に。
ある日、樫尾さんの前に亡くなったはずの悠香さんが現れます。一緒にランチを楽しんだりと親交が深まり再び恋人同士になりますが、終わりのないデスゲームからは逃れられず……。
過酷な運命を背負いながらも前に進んでいく姿に胸が熱くなります。
もっと重々しい雰囲気の内容かと思いきや、穏やかなシーンや美味しそうな料理の数々も。
もちろん迫力満点の戦闘シーンも必見です!
他人の命を犠牲にしてでも守りたい存在。主人公の覚悟と気持ちの強さがこれでもかというくらいに伝わりました。
チリンチリン。この音が聞こえたら男は否応なく闘いの場に引き摺りだされる。 こんな理不尽な運命はないだろう。
ザ・ロードによって主人公は最強のナイト、ブルーセイバーとして闘いを挑んでくる者たちを相手にしなければならない。
ザ・ロードの目的は一つ、最強のナイトを生み出す事。
どちらかが死ぬまで闘いは続く。デスゲームである。
呼び出しの音はいつくるかわからない。例えば、恋人とレストランで食事の約束をしていようと、ショッピングの途中であろうと。
主人公は、淡々と自分の運命を受け入れ、今日も愛する人を守るために挑戦してくる者達を倒して行く。
主人公と恋人とのほのぼのとした日常に、突如割り込んでくる非日常の闘いのシーンが物語に面白みを加えて飽きさせない。時々出てくる飯テロも楽しめておススメです!
個人的見解ですが…
心臓の弱い方は、本作「The Third」から読まれることをお勧めします。
心臓に毛の生えていらっしゃる方は、「The First」から、順にお読みください。
おっぱいには、どこかの段階で出会えます。
(宮本さまワールドですから)
ストーリーについては、たくさんの方々がステキにレビューをつけていらっしゃるので、そちらをご参考いただくとして。
キャラたちの装着するスーツが、多彩な武器が、作者さまの「こういうのが好きなんだ!」という熱を伝えます。
「夜」「人間離れした力を使い」「目的不明のまま戦う」
この縛りの中で、よくぞこれだけバトルシーンが描き分けられるものだと、驚嘆しかありません。
謎が謎のまま、第一部完結。
今のところ、悪の親玉的な「彼」が、いったいどう動くのか。
続きを待ちたい作品です。
本作は関連作品も展開されており、その中でも本作は「ドラゴンノベルスエディション」という特別版にあたります。物語に至るまでのあらすじ紹介に加え、最終話後はアナザーストーリーも付属しており、ファン必見の仕上がりです。
夜に現れる現代の黒い騎士――ナイトたち。彼らは夜ごと、相手を殺すまで終わらないデスゲームに身を投じています。某仮面ライダー龍騎を思わせるハードな設定が魅力です。
変身者は社会人という設定で、日常パートではビジネスライクなやり取りや、大人ならではの関係性が描かれ、成熟した雰囲気が堪能できます。宮本先生作品の魅力である「飯テロ」展開も健在で、緩急のある日常描写に飽きることがありません。
そして一転、戦闘パートでは、最強のナイト・ブルーセーバーの超人的な戦闘力が描かれます。激しさだけでなく、戦いの虚しさや哀愁までもが繊細に表現されており、読後に深い余韻を残します。
少しダークな変身ヒーローものとして、大人になっても厨二心を忘れない読者に特におすすめしたい一作です。
「私は歴史を学んできたんだが、人類には大きな潮流の2つあるんだ。
『命よりも大切なものはない』という説と、
『命よりも大切なものがある』という説さ。
人間は主に、後者を理由にして戦いを始め、
前者を言い訳にして戦いをやめる。
これを数百年繰り返してきたのさ」
……うろ覚えなので正確ではないですが、
私の好きなヤン・ウェンリーの言葉です。
ヤン・ウェンリーで思い出したのですが、この世にはついをなすものがたくさんあります。
ヤンに対してのラインハルト
仮面ライダーブラックRXに対してのシャドウ・ムーン
アムロに対しての、シャア
コカコーラに対しての、ペプシコーラ
きのこの山に対しての、たけのこの里……
そして、ブルーセイバーに対しての、レッドセイバー。
此度の宮本先生の物語は、主人公、最強のブルーセイバーが、レッドセイバーと出会う物語でございます。
物語冒頭で、主人公のカシオさんの同部署に、村上ハルカが入社してくるところから始まります。
ここまでK-nightシリーズを読んでらっしゃる方はお分かりだと思いますが、
村上はカシオさんの前の恋人でございます。
カシオさんは、その時の記憶が消滅しており、その時の記憶を取り戻すためにデスゲームに参加しているそうです。
なぜ、蘇り再びカシオさんの前に現れたのか。
……何やらきな臭い感じがしますな。※後に後述。
今回、この宮本先生の文学の特徴をもう一つ見つけました。
この人の文章は、実に『洋楽的』なんです。
……何言ってんだ? という感じがしますわな。
どちらかというと、翻訳劇みたいなト書の書き方だなあと思って読んでいたのですが、
この先生の作品を読むと分かるとおり、宮本先生は洋楽にも精通しておられます。
おそらくこの方も、洋楽の歌詞とか読むの好きなんだろうなあ……と激しく共感して嬉しくなってしまいました(なんつって全然違っていたら申し訳ない。)
……
……
……
……
以下、ネタバレを含みます。読んでない方は回れ右です。
おそらくですが、
これ、きっとレッドセイバー関連でまだ作品が出ると思うのです。
正直、ハルカを生かせておいたことに「?」でした。
ラストがナイトとして生きることに葛藤するでもなく、諦めの感情になるブルーセイバーなのですが、
こんなセリフ絶対、遥香を自らが手にかけた方が効く……と個人的には思ってるんですよね。
ともすれば、「さんざん人●しておいて、自分の恋人だけ生き残るのはずるい!」
となりかねません。
だからおそらく……ハルカをここで死なせられない展開が後に控えているのではないでしょうか?
そういえば、ハルカがなんで蘇ったのかってまだ明かされてませんよね……?
というわけでみんな! 最低後一回はブルーセイバーに会えるぞ!!
変身して、特殊な武器を持って、重力なんて目じゃないほどのスピードで闘い合う。
これは、男の子からしたら、夢のような話かもしれません。
(女の子でも好きな方はいるかもしれませんが!)
K-nightシリーズには、こんな男子心をくすぐるバトルシーンが満載であります!
その描写の迫力に、つい熱中して読み進めてしまう自分がおりました!
ですが、闘うことに対して疑問を持つ心も、本作ではやはり大切なテーマとなっております。
好きな人と出会って、恋に落ちて、結婚して家族になる……これを一番大切にしなければ、人間としての強さを失ってしまうものなのだと、主人公・樫尾俊雄を通して教えられました。
バトル描写だけでなく、日常のすばらしさが鮮やかに描かれている傑作!
超おススメです!!!
なんと熾烈で、そして残酷な運命を描き出したか……。
ナイト・ブルーセーバーとして、夜な夜な死闘に明け暮れさせられる運命を背負った男・樫尾。
彼の勤める会社に村上悠香という女性が新しく入ってくることが決まる。
どこか懐かしさのある彼女。自然と彼女に惹かれ、やがて恋愛にも発展するように。
そうして平和を享受する彼の前には、またいつもの「戦い」の時がやってくる。
―――戦わなければ生き残れない
ナイト・ブルーセーバーに変身し、遅い来る別のナイトを撃破していく樫尾。
しかし、彼の前に自分と対をなすような「レッドセーバー」を持つ白いナイトが出現する。
果たして、この死闘の先に待つものとは。
彼が経験したである感情の揺らぎを想像すると、すごく胸に来るものがありました。レッドセーバーの正体。それを巡り、彼がこれまでに経験してきたもの。
死闘の主催者であるザ・ロードは、どこまで彼の運命を弄べば気が済むのか。
彼のこれから先の人生に待つものはなんなのか。この死闘はいつまで続き、最終的にはどんな結末を迎えるか。
そして、この死闘の持つ真の意味は?
どんどん先が読みたくなり、今後も目を離せない作品です。