変わりゆく国のかたち

「変わりゆく国のかたち」と言われて、僕はちょっと思う所があります。それは、

「日常会話の声が小さくなった事」

気付いているかな？　僕は相対的にそう思うのです。それで今時のリアルで大きく聞こえてくるのは、がなり立てる声や、ヒステリックで感情的な声。

聞きたくもない声は大きくて、聞きたい声がどんどん小さくなっていると思うんです。

これって実は変です。

人間が日常会話で使う「声の大きさ」、これが明らかに昔に比べ小さくなる、それって幾ら若くても、人として「命が薄まっている」気が僕はするんです。きっと好景気の昔は、もっと、もっと、人々の声は大きくて、「幸せな日常会話」がそこかしこに溢れていた…続きを読む

現代社会の諸相が瑞々しい言葉で映し出された連作です！

時代の重さと、そこに息づく人々の暮らしの機微が胸に沁みます。一首一首に込められたまなざしが温かく、鋭く、読み手の心を揺らします。素敵な作品を届けてくださり、ありがとうございます！

今作は、現代の日本をテーマにした短歌連作です。

ここ数年、様々なことがあったこの世の中を見事に三十一文字に収めたその表現力は、さすがというしかありませんでした。

特に気に入ったのは、最後の一首です。

『色とりどりランドセル並び校庭に違いを楽しむ笑顔の花咲く』

ネガティブな話題も多い本作の中でも、ポジティブな話題も確かにある。

その希望こそが光る一作でした。