概要
エモいだけじゃ物足りない、感情の奥にある思考を呼び覚ます青春群像劇、ここに開幕!
教室には、たくさんの息苦しさやモヤモヤ、誰にも言えない不安や悩みが潜んでる。
見えない序列や無言の圧力、そしていじめ――教室は、世界で一番小さくて複雑な「社会」かもしれない。
クラスメイトから「ぼっち」と蔑まれ孤立している「侑」
眉目秀麗・文武両道の完璧すぎる孤独な優等生「蓮」
スクールカースト上位にいながら不安を抱える「愛」
これは、それぞれに生きづらさを抱えた3人の物語が「社会学」を通じて交差する青春群像劇。
【物語よりも社会学を知りたい方は――】
社会学のお話については第7話以降から本格的に扱っております。
とりわけ第
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!「感情と知識」が混ざり合う、繊細で稀有な文体と構成が魅力の青春小説
まず最初に、誰もが手に取るような作品ではないと思います。ですが、刺さる人にはとことん刺さる、「派手にバズる」よりも「深く長く残る」そんな作品だと思います。
中学生が抱える繊細な心情と、序列や仲間外れ、孤独といったリアルな「痛み」を、社会学の視点から丁寧に解き明かしていく構成と視点はとてもユニークで、従来の青春群像劇には見られない、唯一無二の独自性があります。
人間関係の構造や、序列、排除のメカニズムという、「目には見えないけれど確かに存在する」言葉にできない社会現象を、物語や登場人物たちの感情・心理を通して描き出す手法は見事というほかありません。
物語が進むにつれ、登場人物たち…続きを読む - ★★★ Excellent!!!言葉にしづらい悩みや感情を繊細かつ鋭く描き出す青春ドラマ。ぜひ書籍化を
私は社会学部出身だが、当時は社会学を面白いと感じたことはなかった。
しかし、この作品を読んでその考えはガラッと変わった。
私たちが抱えがちな人間関係の悩みや身の回りの問題について、社会学は新しい見方や考え方を示してくれる、大変魅力的で面白い学問であるということに気付かされた。
小説の中にうまく社会学を取り入れていて、たいへん読みやすく、そして心理や感情と結びつけるように書かれているので、共感しながら読める。社会学を知らないという皆さんにもぜひお勧めしたい。
「学校では教わらない」いろんな物の見方や考え方を、個性的なキャラクターと物語を通して学ぶことができる。学ぶ、とは書いたが、物語や登…続きを読む - ★★★ Excellent!!!感情と思考を揺さぶる、これまでにない知的エンタメ青春小説
正直、どう表現していいかわからないくらい、すごい作品だと思う。
物語に登場する3人の中学生は、それぞれ誰にも言えなかったり、言葉にならないような葛藤や不安、孤独を抱えており、その心情がとてもリアルに、丁寧に描かれていて、自分の話かな、と錯覚しそうになる。
何より、ただの青春小説ではなく、社会学の視点が溶け込んでいることで、「個人的な悩み」が、じつは「社会のしくみ」と無関係ではないことを物語を通して伝えてくれる。
難しいはずの社会学の話が、わかりやすく、そして親しみやすく書かれているので、気がつけば続きが気になって読み進めてしまう。
ただの青春小説ではない、まったく新しいタイプの怪作。とにかく…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ちょっとお隣の席、いいですか?
まるで、喫茶店で隣の席のおしゃべりを聞いてるみたい。
しかも、その席は、なにやらワイワイと盛り上がっていて、楽しそう……。
本作に抱いた、私の印象です。
「社会学」という耳なじみのないワードで敬遠するのはもったいない!
老若男女問わず、誰しも抱える悩みへのヒントが、本作には散りばめられているのですから!
また、登場人物たちが、一人一人、背負っているテーマがあるのも奥深いです。
どの人物も共感しやすいテーマなので、「わかる、わかる!」とうなずきたくなりました。
となると、もう、彼らの隣の席に座りたくなってしまうもので。
思わず言ってしまうのです。
「ちょっと、お隣の席に座ってもいい…続きを読む