風の妖精「フィア」：一夜の過ち

　風の囁きに導かれるように、気づけば物語の深い森に迷い込んでいた。美しく、残酷で、切なく、あまりにも静かな余韻が心に降り積もる。フィアの軽やかさと、その裏に潜む純粋な欲望。そして、風に流されるままに出会った彼との、あまりに脆く、あまりに残酷な時間。

　運命に翻弄される無邪気さが、知らぬ間に罪の重さへと変わる瞬間。読後、心に残るのは、淡く、ほろ苦く、けれど決して消えない何か。これは、風に乗る魂が知る「永遠」の物語だ。

「不滅の魂」……その言葉の魅力は大きく、世界最古の物語と称されるものから現代のアニメや映画などでも取り上げられる、普遍的テーマであると思います。
本作の主人公、フィアもまた「不滅の魂」を手にしようと里を飛び出すのですが……。

それを手に入れるための方法、とても美しいものに思えました。

そして物語もまた、美しいものでした。

ですが、読後、この結末を素直に受け止められない自分がいたのです。

軽妙で、時にくすりとさせられる描写がありながら、とてつもないテーマを持ったすばらしい物語！
是非ともご一読ください！

本作は登場人物たちが皆、目的を達成するハッピーエンドです。ハッピーエンド…なのに、なぜか手放しには喜べない。そんな展開が待ち受けております。ハッピーエンドの形は作品や読者の数だけ存在する。同じ物語を読んでいても、みんなが同じ想いを得られるとは限らない…

スッゴいですよ。
このお話👀！

お話自体、おもしろいです。
そして、このお話は
ある問題を提示しています。

物書きとして、ぜひ一度、
その問題に向き合ってください。